四万十町産の原料にこだわりぬいた「生きた味噌」
じんさい味噌製造組合さんのこだわりとして、まず挙げられるのが「四万十町産」。
原料となるお米は、四万十町のお母さん達が自ら育てたお米です。米どころ四万十町の美味しい仁井田米(にいだまい)のみを贅沢に使用するので、風味豊かで優しい味に仕上がります。
大豆ももちろん四万十町産のものを使用しますが、最近ではその生産量が減り、入手が難しくなっていることから、お米同様に大豆の栽培も行い現在は作っているとのこと。
この原材料への強いこだわりが本物の地元味噌として根強い人気を支えています。
長年受け継いできた生きた味噌つくり製法
下準備の下準備として「お米は蒸してから糀菌をふりかけて味噌づくり用の米麹を作り」をまず行い、その後に四万十町産の大豆をじっくりと大きな窯で煮込んで柔らかくします。
煮あがった大豆は少しあめ色がかって良い香りが辺りに漂います。「この煮ぃたやつがうまいがで」と熱々の大豆は食べてみると、ほんのり甘く素材の良さが伺えます。
このあと大豆の温度を見極めてから、米麹と合わせさっくり混ぜ合わせ。混ぜ合わせた大豆と塩、米麹をすりつぶしたものを、空気を抜くために団子状にまとめた後は、味噌樽いっぱいになるまでくり返し行います。
途中で空気を抜き最後の仕上げとして表面を綺麗にした後は、腐敗防止に塩を振り1年以上の歳月をかけ味噌は作り上げられていきます。
受け継がれる想い
じんさい味噌組合は、50年以上前に神ノ西(こうのさい)という集落の主婦グループで作り始めたのがきっかけ。
各メンバーが農作業の傍ら、昼夜を問わずに味噌の開発に努め、材料選びからその割合、各作業を行うタイミング、大豆を煮る火加減や時間、熟成期間など試行錯誤を重ねることで「じんさい味噌」は産声をあげました。
創業当初は販売も手探りで、おかあさんたちが自ら台車を引いて納品を行ったり、町外からお声がかかれば四万十町の特産品としてアピール。こうして販売していく中で、一生懸命作ったお味噌を「おいしい」と手に取ってくれる顔を見たとき、やりがいを感じるそうです。
組合が立ち上がってから50年。その歳月の中で味噌づくりを母から受け継いで嫁、そして孫へと3代にわたって代替わりし、今後も未来へ受け継がれていきます。