高知の魚屋で一番大事な事はカツオの目利き
「カツオの目利きは、捌いてみないと売り物になるかどうか見極めができないぐらいとても難しい魚」と語る丈夫さん。
1本1本個体差があり、味も違うため、美味しいか美味しくないのか見極める術は毎日毎日カツオを捌いている店主にしか分からないとのこと。
カツオにはゴシやゴリ、イシカツオと呼ばれる強烈なクサみを放つ個体が紛れ込み、素人だけでなくプロの方でも分からない微妙な違いの場合があることもしばしば。
そのため、「魚=カツオ」という地域の人々に育てられてきた丈夫さんは微妙なものは出さず、妥協せずに自分の目で見て美味しいと思うものだけを提供しています。
「焼き」で美味しさを閉じこめる
藤原鮮魚店では、カツオのタタキの焼きは藁焼きではなく、あえてガスで行います。
「なぜ藁焼きではないのか?」とよく聞かれますが、藁焼きはカツオの臭みを消すための焼き方で、目利きのしっかりした新鮮なカツオについてはガスで焼くことで純粋な美味しさが閉じ込められ、本来の旨味や香りを存分に味わうことができるとのこと。
また、藁焼きの難点として焼いた後にカツオを洗う必要があり、これは焼いたときに藁の灰がカツオのタタキについてしまうためで、せっかく焼きで閉じこめた旨味や香りが洗うことで水に抜けて行ってしまいます。
そのためあえてのガス焼きで、カツオの旨味と香りを楽しむことが出来る焼き方にこだわっているのです。
代々受け継ぐ秘伝のタレ
藤原鮮魚店さんの鰹のタタキのタレは、丈夫さんのおばあちゃんが考案したもの。
その秘伝である「タタキのタレ」は絶品と評判で、通常はポン酢系の酸味のあるものが多いですが、藤原鮮魚店さんは醤油ベースに、にんにく、胡椒、わさび、七味などを絶妙に組み合わせて作っています。
酸味の苦手なお子さんからも人気が高く、タタキを買われた親御さんから「魚が苦手な子どもでも、これなら食べられる」とお声をいただき太鼓判を押されるほど。
この先も受け継がれる「四万十だけの味」を楽しんでみてください。