高橋ヴァイオリン工房
高知県で唯一のヴァイオリン職人
四万十町の窪川地区にある「高橋ヴァイオリン工房」さん。代表の高橋尚也さんは、高知県で唯一のヴァイオリン職人、イタリアで10年間の修行を積んでおり、イタリア時代の多くをヴァイオリン製造の聖地クレモナで過ごしたとのこと。また世界的な巨匠・モラッシー親子の師事を受けており、今でも作品を見てもらって、指導を受けることがあるそうです。そんな高橋さんは培われた経験と技術で1本1本丁寧に細部にまでこだわりオーダーメイドのヴァイオリンを作っています。夢は「死ぬまでつくり続けること」賞を取ったり、自分の楽器だけで発表会をしたり、など、描くことはありますが、そういったものは過程でしかなく、「職人」として今後もヴァイオリンを作り続けていくと真剣な眼差しで語ってくれました。
高橋ヴァイオリン工房さんの「こだわり」
生産者の商品一覧
職人ごとに生まれる唯一の楽器
ヴァイオリンは西暦1500年代に完成したといわれ、以来、約500年間その形を変えていません。材質は多少の違いはありますが、それでも数種類。そんな限られた条件で、職人さんの特徴として現れるのがネックの渦巻部分やf字孔、ボディのラインなのだとか。高橋さんは「自分は特徴を出そうとはしてなくて。でも人が見たら、こいつはいつもこうなってるって分かるみたい」と控えめですが、その実直さがヴァイオリンの色として表れ、その人自体をも表す。オーダーメイドだからこそ生まれる唯一の楽器として表現されています。
イタリアから四万十町に移っても、やれることをやるだけ
高橋さんはイタリア時代の多くをヴァイオリン製造の聖地クレモナで過ごし、世界的な巨匠・モラッシー親子の師事を受けました。今でも作品を見てもらって、指導を受けることがあるそう。イタリアと日本では季節による湿度が真逆のため梅雨と2月の乾燥しすぎるときは湿度管理が必要ですが、神経質にならず楽器自体に向き合う姿勢が大切とのこと。材質によって「意外と材が薄い」であったり個性があるため「どうしようかな」の連続ですが、普通に音楽をかけたりしながら一つ一つの工程を楽しみながら、自分のやれることをやるだけ。と語ってくれました。
死ぬまでつくり続けること
数十種類もの道具を使い分け、手作業で作られるヴァイオリン。中でも「横板を専用のアイロンにあてて曲げる工程」は神経を使い、ここが終わるとホッとするのだそう。製材の目利きも重要「若い頃やと分かってなかったき、今見たらびっくりするような材を仕入れよったね」と笑います。その中でも好きなのは「表裏の板を削る工程」粗削りから、つるつるに仕上げるまで全部が好きだそうで、そんな工程を経て生まれるヴァイオリンは高橋さんの息遣いや気迫を纏っていて、とても美しい逸品。夢は「死ぬまでつくり続けること」と高橋さん。賞を取ったり、自分の楽器だけで発表会をしたり、などの想いはありますがそういったものは過程、「職人」として今後もヴァイオリンを作り続けていくと真剣な眼差しで語ってくれました。